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27

2017年2月7日、27歳になった。2と7づくしだ。 気がつけばそれなりに大人になっていた。中学生や高校生の頃から考えたら27歳なんて完全に大人。仕事をバリバリやって、結婚もして、普通の、"正しい"幸せに向かうレールの上に乗って、あとはその道を走っていればいいだけのはずだった。

けど実際は精神性はロクに成長してないし、好きな仕事をしてると言えば聞こえはいいが、低い給料と不透明な未来を前に、いつか必ずくる決断の時をごまかしながらやり過ごす毎日。結婚どころか彼女もいない。自分が親なら「おまえこのままで大丈夫か?」とマジで心配になってくる。50年後どころか5年後さえ自分がちゃんと生きれてるか、不安を感じない日はない。

でも矛盾してるようだけど、自分のことはそんなに嫌いじゃない。26年間生きてきた中で、今が一番"良い人間"だ。10年前より、5年前より、1年前より、昨日より。「昔」と比べたら「今」の方がいくらかはマシな人間になれている、気でいる。これで人生で一番マシだなんて、今までがどんだけクソでしょうもない奴なんだって話だが、「自分」を誰よりも一番見てきた『自分』としては、間違った方向には進んでないんじゃないかと思う。もちろん、他の人と比べたらダメなところだらけで、自信を持てるところなんて未だ一つもない。それでも、過去のどんな自分よりも、『今の自分』が1番好きだ。

"良い人間"ってなんだろうか。自分で言ってみたものの答えはわからない。優しい人、誠実な人、言葉を選ぶ人、気持ちを伝えられる人、正直な人、自分に嘘をつかない人、大切な人を大切にできる人、努力のできる人、本気になれる人、夢を持ってる人、想像できる人、行動できる人。色々並べてみたけれど、他の人に聞いたら、全く違う答えが返ってくる気がする。

容姿のことで言えば自分はブサイクだ。こういうことは男性も女性も自分から言うものではないが、とはいえ現実問題仕方ないものでもある。でもカッコいい人間になりたいと思ってる。イケメンじゃない。自分の顔も好きじゃない。ただそれでも、いやそれならせめて、生き方のカッコいい人間にはなりたい。そう思ってしまっている。

優しい人間じゃない。何かしたって「人によく思われたい」「嫌われたくない」、そういった感情の裏返し。卑しい自分に"自分"が気づくと吐きそうになる。「自分のため」と割り切ることで、なんとか見て見ぬフリをしてる。でも少しでいい。何の感情も葛藤もなく、全てそうあることが当然のように、優しい人間になりたい。そう思ってしまっている。

口先だけのやつほどカッコ悪いものはない。綺麗事を並べてただ傍観してるだけでは信用に値しない。そういう人間にはなりたくない。吐いた言葉の1/10000にも満たない等身大の自分。迷いだらけの一歩を踏み出してみる。ダサくて、カッコ悪くて、情けなくて、惨めで、恥ずかしくて、痛々しい。頭の中で描いた妄想は何一つ叶わない。大したことのない人間。落ち込んで、傷ついて、呼吸が苦しくなる。思い出す度に羞恥心と自己嫌悪が全身を蝕む。もうこんな思いはしたくない。それでも、その踏み出した一歩の分だけは、マシな人間になれたんじゃないか。そう思ってしまっている。

結局"良い人間"なんてものに答えはなくて、目指すべきはただ「自分の"なりたい"自分」、それだけなんだろう。

「どういう人間になりたいか」、その姿を描ければ、進むべき方角に向かって歩んでいける。その道すがら、遠回りをしたり、迷ったり、立ち止まったり、つまづいたり、引き返したりすることもあるかもしれない。それでも、その霧の、その雲の向こう側に見える山の頂を見失わずにいられたら、今どんな場所にいたとしても、視線の先は揺るがずにいられる。

けど生きてれば雨の日もあれば嵐の日もある。目指したはずの頂を見失って、どこに進めばいいかわからなくなる日が来る。ただそんな時にだって、気づいていないだけで、誰よりも自分自身こそが、進むべき道を知っている。嬉しい、楽しい、悔しい、悲しい、むかつく、かっこいい、ダサい、寂しい、尊敬、憧れ、嫌悪、感謝、嫌い、好き。何度となく胸の内に灯る理屈を超えた心のサイン。昔馴染みの感情から、いまだ名前を知らないその想いまで。その心のサインが、進むべき方角を教えてくれる。「自分はどう生きたいか」。たとえ迷いや悩みの中にいても、その気持ちに正直に従えば、その先にはきっと、目指すべき山の頂が待ってる。

そして絶対に辿り着くことのないその山の頂を、死ぬまで目指すことを止めない人間になりたいと思う。完璧になれる日なんて永遠に来ない。でも死ぬ時、息を引き取るその最後の瞬間にこそ、自分の人生史上、一番良い人間になれてたらいいと思う。その山の頂に最も近い場所か自分の人生を眺めて、「悪くなかった」と思って死にたい。その時だって周りの人と比べたらクソ野郎のままかもしれない。それでもその時には27歳になった今の自分の、9000倍ぐらいは良い人間になっていたい。

音楽によって自分の人生は変わった。そう思える曲がある。そして自分の人生を変えた曲が、自分の生き方そのものになっている。

<いつかそんな言葉が 僕のものになりますように>

綺麗事を"綺麗事"と言う人がいる。でもやはり、物事がそうなっていく方がいいと、思ってしまっている自分がいる。

27歳、気がつけばそれなりに大人になっていた。言っても自分はロックスターじゃないからきっと27歳じゃ死なない。才能も能力も魅力もないしょうもない人間。だからこそ、まだ死ねない。良い人間になりたい。答えのない山の頂は果てがない。辿り着くことのない「いつか」。

でも"いつか"、そんな日が来ることを信じてる。

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