22│06-07│オンリーロンリーグローリー

■某日
 暑すぎる。梅雨は嫌いだがこうもあっけなく終わった後にこんな猛暑が来るなら話は別だ。あの雨が降った日の清涼な空気が今となっては恋しい。夏の予定は夏フェスに行くぐらいしかないが、このコロナ禍の2年間でスーパーインドア人間になってしまったので、この調子で炎天下の中一日耐えられるか非常に不安。でもあの暑い暑いと汗まみれになりながらも、ギラつく太陽の下で音楽を浴びる日々を待っている自分もいる。


■某日
 月に一度のフットサルの日。メンバーの半分以上は知らない人で、特に話したりすることもないのだけど、同じチームになると自然とチームワークが生まれるのはなぜだろう。これがスポーツか。しかしもう少しプレイ外でも自分から話しかけて交流しろとも思うが、知らない人が沢山いる場が30歳を超えても未だに苦手だ。というか自分を入れて5人以上人がいるとマジで話せない。
 異様に足をとってくる人口芝に運動不足甚だしい生活を送っている体が随時悲鳴を上げる。太ももを鉛で殴られてるみたい。これは明後日まで筋肉痛を引きずりそうだ。


■某日
 日向坂46の渡邉美穂卒業セレモニーを配信で見る。特別推しではないが、毎週「日向坂で会いましょう」を見ていてメンバー全員のことが好きなので、彼女の卒業も自分が思っていた以上に寂しい。アイドルはなぜ卒業するその最後の瞬間が最も美しいのか。満ち足りたような、雲一つない空のような表情で歌う姿が、より別れを切なくさせる。       
 アンコールの最後のスピーチで渡邉美穂が「本当に5年前、ひらがなけやきのオーディションを受けてよかったなと思います。」と話していた。アイドルがアイドルでなくなる時に、「アイドルになってよかった」と彼女たちが言ってくれること以上の幸せはファンにとってあるのかな。ファンというのは時にアイドルを苦しめるものでもある。だからこそ、少なくとも自分にとっては「アイドルになってよかった」という言葉は免罪符のように響く。こういう時、「ありがとう」以上の別れの言葉があればいいのにといつも思う。たかだか一人のファン。結局いつも与えてもらったものの方が多い。


■某日
 6月も終わるので、2022年上半期に好きだった曲をまとめる。「もう○月とか時間すぎるの早すぎてやばい。」、このセリフ死ぬまでにあと300回ぐらい言う気がするが、こうして振り返ってみるとちゃんと半年分生きてるなという気分になる。この半年の一番の思い出は誕生日に彼女とUSJ行ってその翌月に別れたことだ。何が起こるかわからないよな人生。


■某日
 髪を切りにいつもの美容院へ。予約時間に到着するも担当の人の手が空かないらしく20分待つ。施術内容によってかかる時間は違うのに、予約枠が綺麗に30分単位で分けられているホットペッパーの予約枠がよくないんだろうな、ということにする。髪を切った後は美容院の向かいにあるハンバーガー屋へ。髪を切ってハンバーガーを食べるという流れが休日っぽくてすごく好き。30歳を超えてからハンバーガーとコーラとポテトの組み合わせにハマったが、塩分と糖分を交互に取れる布陣を考えた人間は天才だと思う。
 夕方はBUMP OF CHICKENのライブのために幕張メッセへ向かう。会場が近づくにつれグッズを身に着けた人が増えてくると自ずとテンションも上がってくる。ライブは結成25周年記念ライブということもあり新旧の曲を織り交ぜたセットリスト。中学生の時、ラジオでバンプの新曲が初オンエアされると知りどうしても聴きたくて、ラジオを録音してくれた奴の家に友達4人で集まって聴いた"オンリーロンリーグローリー"を初めて生で聴けた。「バンプの新曲が聴ける!」とワクワクした中学生のあの時に感じた興奮が18年越しに蘇ってきたような感覚とともに、全身がこの曲に反応しているのがわかる。自分の青春時代に刻まれた音楽は、いつ聞いてもあの頃に自分に会わせてくれるんだな。バンプの前では、いつも中学生の時の自分に戻ってしまう。
 ライブに行くと、つい客席のファンの人たちを見てしまう。客席を見てると、目に見えるはずのないその人たちの「好き」という気持ちを感じられるような気がする。どのアーティストのライブに行っても、ファンの人たちというのは本当にキラキラと輝いていて、その姿を見ると泣きそうになる。「透明よりも綺麗な あの輝きを確かめにいこう。」"アカシア"の1番の歌詞を思い出す。人が何かを「好き」と想う気持ちがもし目に見えたら、それは透明よりも綺麗に輝いているんだと思う。