23│02│Clone

■某日
 昨年の5月に毎週日記を書くと決めたものの見事に挫折。リハビリかのようにこうして3か月振りの日記を書いている。日記を書かなくなった主な原因は昨年の12月に「もうパズドラしかできない」と吐露した麦ばりにTikTokとインスタのリールとYouTube Shortsしか見れない状態になりマジで全てのモチベーションが皆無になったことが原因な気がする(縦型動画がどれだけ脳死でも見れるのか改めて分かる)。チケットを取っていたライブ3つも特に理由もなく行かなかったの冷静に考えると意味不明で怖い。
 総じて色んなことにモチベーションがなくなった原因が何かと聞かれると難しい。ただ体感2022年は厄年でもないのにマジで良くない年だったという自覚があるので、色んな不調が積もったところでガタがきたということにしている。無理、よくない。2023年は10年以上ぶりに初詣に行き大吉を引き当て、モチベーションも少しずつ回復してなんかいい感じになっていきそうな気がするのでこの調子で頑張りたい。2023年になって早くももう2カ月が経ってしまうが。

以下簡単なこの2カ月まとめ。

■12月
某日
 2回目のゴルフの打ちっぱなしに行ったが1回目の3065倍ぐらい下手になっていて心が折れる

某日 
 取引先との忘年会で行った西麻布の怪しい謎高級店で3万のコースを食べる。「三冠王」というフォアグラとキャビアとフカヒレを使った料理の品の無さに眉をしかめるも悔しいがめちゃくちゃ美味しくて金の暴力を感じる。

某日
 バンプのライブを見る。"アルエ"でバカでかい声が出る(出てない)。

某日
 担当しているアーティストとのご飯会。初めてライブを見たのは10年前の大学生の時。そこから10年後にあの日ライブを見ていたアーティストの目の前で自分がご飯を食べることになるなんて人生は何が起こるかわからない。仕事仲間っていうのは友達とは違う関係性で、でも結局人間同士だから気持ちで動く部分は必ずある。「正論だけでは人は動かない」っていうのは前職の先輩に言われた言葉で今も鮮明に覚えている。昔は「会社の飲み会」というイベントがダサいという勘違いした尖り方をしていたけれど、相手がどういう人かわかるとか、人間同士だから関係性を作っていくっていうのは凄く大事。当たり前すぎるか。

某日
 ELLEGARDENの16年ぶりのアルバム『The End of Yesterday』の発売。フラゲ日の午前中にCDショップに行き、展開を見てワクワクしながらレジに並ぶっていう中学生の時と同じ気持ちでCDを買うのはおそらく人生最後になる。このアルバムのことは未だに上手く言語化できない。ただ1周目聴いた時には「これはそんなにハマらないな」って思ってた曲もずっと聴いてるとどんどん良さに気づいていくというか、好きになっていくのは本当に不思議。今では1曲も飛ばすことなく毎日アルバムを通しで聴いてる。この日記を書いている2月の現時点でおそらく100回近くは聴いてるけど全く飽きない。昔の曲はもちろん大好きな曲は沢山あるが、音として聴いた時に今作は圧倒的に気持ちよくて何回も聴いてしまう。これはロスでのレコーディングの影響が間違いなく出ている。特に好きなのは"Bonnie and Clyde"の2番のAメロ。

Oh I don’t care if someone tells me
You’re not the girl I thought you would be
You’re Bonnie and I’m driving my way

誰かが言おうが知ったことじゃない
君は俺が思ってたような人じゃないって
君はボニーで、俺は自分の道を走る

どこかでアルバムのことはもうちょっとちゃんと書きたいなと思ってる。なのでツアーに行かせてくださいお願いします(チケットなし)。

■1月
某日
 10年以上ぶりに初詣に行く。当たり前に込んでたけれど、こういう儀式めいたものの重要性を年々感じる。おみくじで大吉を引く。それだけでなんか良い一年になるんじゃないかって気になってくる単純思考。三が日は99%晴れてる気がする。きっと神様に祈るのに向いている。

某日
 自炊を始める。他人様にとっては何を偉そうに言ってるんだという感じだとは思うが、過去ロクに自炊をしてこなかった自分にとっては、自炊をするということはもはや革命。ロクな料理でもないのに米を炊いて、包丁で切り、フライパンで炒めているだけで自己肯定感爆上がり。おれえれぇー。
 いつものパターンだと最初張り切りすぎて途中で息切れしてしまうので、なんとかうまく続けていきたい。

某日
 BABYMETALの復活ライブを見に幕張メッセへ。とんでもないセットとシアトリカルかつ常に観客の期待の斜め上をいく演出。チケット代は半端なく高いが、それも致し方なしと思わざるをえないクオリティ。どれだけ長くても1時間30分しかやらないのに何回見ても飽きない。本当に凄い。

某日
 the HIATUSBLUE NOTE TOKYOでのライブへ。普段のライブ会場とは違うシックで大人な雰囲気に流石に襟の付いている服をチョイスする。1,900円のカクテルなんて普段絶対に頼まないが、「せっかく来たのだから」という貧乏根性ゆえの逆張りでカクテルとミルフィーユを頼む。
 Jive Turkeyシリーズはライブ自体はMCも込みで1時間程度だけれど、普段のセットとは異なるアレンジでどの曲もがらりと雰囲気が変わり、ステージとの物理的な距離の近さも相まって親密で濃密な1時間になる。"Clone"の前のMCで細美さんが「人にはとても話せないような過去があって、でもその時に傷ついた昔の自分が、誰よりも自分の背中を押してくれることがある(意訳)」という話をしていた。
 自分は超自意識過剰な人間だ。人の目も気にするが何よりも「自分の目」を気にしてる。でもそのもう一人の自分のおかげで、まだ何とか自分のことを嫌いにならずにいれている。
 細美さんもMiddle Age Crisis(=中年の危機)について話すような年齢になった。自分ももう33歳。うっすらと可能性の扉が閉じ続けているような感覚をずっと持っている。でも歳をとった分だけ、その時間を生きてきたもう一人の自分が救ってくれると思うと、そいつは結構頼りになるかもしれない。
 いつか必ずくる終わりができるだけ遠くにあって、そしてその瞬間がくるまで、この人たちと一緒に生き続けていきたいと思う。

It’s a clone in me who wrings my heart
It’s a clone in me who grabs my tail
There’s a clone in me who shares with me
There’s a clone in me who saves the day

それは心を締め付けるクローン
僕の尻尾をつかんでいるクローン
それは全てを分け合うクローン
それはいつか僕を救うクローン